血糖値だけでなく、将来の合併症を防ぐための治療です。
糖尿病は、インスリンの働きが十分でないために血糖値が高い状態が続く病気です。
血糖値が高い状態が長く続くと、目、腎臓、神経などに障害が起こるだけでなく、心筋梗塞や脳梗塞などのリスクも高くなります。
QUESTION
血糖値が少し高いだけなら大丈夫?
糖尿病は初期に自覚症状がないことがあります。治療の目的は数字だけを下げることではなく、長い目で合併症を防ぎ、生活を守ることです。
ガイドラインを参考に、一人ひとりに合わせて治療します
当院では、日本糖尿病学会の『糖尿病診療ガイドライン』『糖尿病治療ガイド』などを参考にしながら診療しています。
治療内容は、病状や生活状況、腎機能、心血管疾患などの合併症、低血糖の危険性を確認して選択します。
HbA1cは血糖管理の大切な指標です
HbA1cは、最近1~2か月程度の血糖状態を反映する指標です。
多くの糖尿病患者さんでは、合併症予防のためHbA1c 7.0%未満が一つの目安になります。
ただし、年齢、低血糖の危険性、糖尿病の罹病期間、合併症や他の病気などによって適切な目標は異なります。患者さん一人ひとりの状態に合わせて治療目標を設定します。
治療の大きな目的は、合併症を防ぐことです
血糖を適切に管理し、次のような合併症の発症や進行を防ぐことが大切です。
- 糖尿病網膜症
- 糖尿病性腎症
- 糖尿病性神経障害
- 心筋梗塞
- 脳梗塞
- 足の病変
血糖を適切に管理することには根拠があります
合併症を減らす
国内外の臨床研究から、血糖を適切に管理することで、糖尿病網膜症、腎症、神経障害などの合併症を減らせることが示されています。
安全な目標を考える
血糖は下げれば下げるほどよいわけではありません。低血糖などにも注意しながら、安全に管理することが大切です。
総合的に管理する
血糖だけでなく、血圧、脂質、体重、腎機能なども確認し、将来の心筋梗塞や脳梗塞などの予防につなげます。
生活習慣と薬物療法を組み合わせます
食事療法
食事量や栄養のバランス、生活リズムを確認し、続けやすい方法を考えます。
運動療法
体調や合併症に配慮しながら、無理のない運動や身体活動を検討します。
体重管理
適正な体重を目標に、食事や活動量を一緒に見直します。
経口薬
血糖の状態、腎機能、心血管疾患などを考慮して選択します。
注射薬
病状に応じてGLP-1受容体作動薬等の注射薬を検討することがあります。
インスリン療法
インスリンが必要な方には、導入後の血糖や自己注射の管理も行います。
治療はすべての患者さんで同じではありません。病状や生活状況、腎機能、心血管疾患などの合併症を考慮して選択します。
血圧やコレステロールの管理も大切です
糖尿病では血糖だけでなく、高血圧や脂質異常症、喫煙なども動脈硬化のリスクになります。
そのため当院では、血糖値だけでなく、血圧、脂質、体重、腎機能なども含めて総合的に管理します。
定期診療で合併症の状態も確認します
病状に応じて、次のような点を確認します。
- HbA1c
- 腎機能
- 尿蛋白・尿アルブミン
- 血圧
- 脂質
- 足の状態
- 眼科受診状況
必要な項目や検査の間隔は病状によって異なります。毎回すべての検査を行うものではありません。
自己判断で治療を中止しないでください
血糖値が良くなった場合でも、治療や生活習慣の改善によって良好な状態が保たれている可能性があります。
自己判断で薬を中止せず、診察時に相談してください。
よくある質問
血糖値が良くなったら治療をやめてもよいですか?
治療や生活習慣の改善によって良好な状態が保たれている可能性があります。自己判断で薬を中止せず、診察時にご相談ください。
インスリンを始めると一生続けるのですか?
インスリンが必要な期間や治療方法は、糖尿病の種類、病状、体調などによって異なります。自己判断で変更せず、検査結果を確認しながら治療を調整します。
症状がなくても合併症の検査は必要ですか?
糖尿病の合併症は初期に自覚症状がないことがあります。病状に応じて腎機能、尿検査、足の状態、眼科受診状況などを確認することが大切です。
健診で血糖やHbA1cの異常を指摘された方、糖尿病の治療について気になる方はお気軽にご相談ください。
電話で相談する 06-6922-2526より詳しく知りたい方へ
日本糖尿病学会の公式患者向け情報をご覧いただけます。
